マウスピース型装置の矯正とは?
マウスピース型矯正治療とは、透明で薄いマウスピース(アライナー)を使って歯を少しずつ動かし、歯並びを整える治療方法です。
従来のワイヤー矯正とは異なり、取り外しができ、目立ちにくいのが大きな特徴です。

特徴

目立ちにくい
透明なマウスピースなので、装着していてもほとんど気づかれません。

取り外し可能
食事や歯磨きの際には外せるため、日常生活が快適で清掃もしやすいです。

違和感が少ない
ワイヤーやブラケットがないため、口内の痛みや違和感が比較的少ないです。

段階的に歯を移動
数週間ごとに新しいマウスピースに交換し、歯を少しずつ理想的な位置へ動かします。
注意点
1日20時間以上の装着が必要で、自己管理が重要です。
症例によってはマウスピース単独では難しく、ワイヤー矯正や部分的な補助装置を併用することがあります。
適応できるかどうかは精密な診断が必要です。
メリット&デメリット
メリット
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目立ちにくい透明なマウスピースなので装着していてもほとんど気づかれません。
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取り外し可能食事や歯磨きの際に外せるため、虫歯や歯周病のリスクを抑えやすいです。
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痛みや違和感が少ないワイヤーやブラケットがないため、口内炎や装置による不快感が軽減されます。
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金属アレルギーの心配がない金属を使わない装置のため安心です。
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通院間隔が比較的長い2〜3か月に一度の通院で済むこともあり、忙しい方に適しています。
デメリット
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装着時間の自己管理が必要1日20時間以上の装着が推奨され、自己管理ができないと効果が出にくいです。
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適応に限界がある重度の叢生や骨格性の不正咬合などは、マウスピース単独では治療が難しい場合があります。
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装置の交換が必要1〜2週間ごとに新しいマウスピースへ交換する必要があります。
iTero
iTero(アイテロ)とは、歯科用の口腔内3Dスキャナーのことです。
従来のようにシリコンの材料で型を取る必要がなく、光学スキャンによって数分で歯型を精密にデジタルデータ化できます。

特徴

快適な型取り
従来の「粘土のような材料を口に入れる型取り」が不要。嘔吐反射がある方やお子さまでも安心です。

高精度・スピーディ
口腔内をスキャンするだけで、歯列や噛み合わせを3Dデータとして再現できます。

矯正との相性が良い
インビザラインなどマウスピース矯正で必要な歯型を正確に記録できます。シミュレーション機能により、治療後の歯並びのイメージをその場で確認することも可能です。

データ管理が安心
デジタル保存ができるため、再作成や分析がスムーズ。紛失の心配もありません。
iTero(アイテロ)は、従来の型取りでは難しかった正確で立体的なデータを取得できるため、
矯正治療の診断・治療計画に大きな役割を果たします。
診断への活用
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歯並び・噛み合わせを正確に記録歯の位置や咬合関係を3Dデータで再現できるため、診断の精度が高まります。
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経過の比較が可能治療開始時のデータと、途中・終了時のデータを重ね合わせることで、歯の動きを正確に確認できます。
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患者さんへの説明が分かりやすい3Dモデルを画面上で見せながら説明できるため、ご自身の状態を直感的に理解できます。
治療計画への活用
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シミュレーション機能インビザラインなどでは、スキャンしたデータを用いて 「治療後にどのような歯並びになるか」 をその場で確認可能です。
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正確な装置作製取得したデジタルデータから、オーダーメイドの矯正装置(マウスピースなど)を高精度で作製できます。
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効率的な治療計画歯の移動量や方向をデータに基づいてシミュレーションするため、無理のない治療計画を立てることができます。
Treatment Plan
診断及び治療計画
診断

精密検査
口腔内写真・レントゲン(パノラマ、セファロ)、歯型(iTeroによる3Dスキャン)を行います。

咬み合わせの分析
歯並びだけでなく、顎の骨格や噛み合わせのバランスを評価します。

適応症例の確認
マウスピース矯正で対応可能か、ワイヤー矯正や補助装置が必要かを判断します。
治療計画

3Dシミュレーション
スキャンデータを用いて、歯がどのように動いて最終的にどんな歯並びになるかを視覚的に確認できます。

段階的な装置作製
治療の各ステップごとにマウスピースを製作し、1〜2週間ごとに交換しながら歯を移動させます。

治療期間の目安提示
シミュレーションに基づき、治療完了までのおおよその期間(通常1〜3年程度)を提示します。

保定計画
治療後はリテーナー(保定装置)で歯並びを安定させる計画を立てます。
治療の流れ
初診相談
歯並びや噛み合わせのお悩みを伺い、治療の必要性や大まかな方法をご説明します。
精密検査
レントゲン・口腔内写真・歯型(iTeroによる3Dスキャン)などを行い、歯と顎の状態を詳しく調べます。
診断・治療計画のご説明
検査結果をもとに治療方針を決定し、3Dシミュレーションで治療後の歯並びイメージをご覧いただきます。
マウスピース製作
治療計画に基づき、段階ごとのマウスピースをオーダーメイドで作製します。
治療開始
マウスピースを装着していただき、1〜2週間ごとに新しいものに交換しながら少しずつ歯を動かしていきます。装着時間は1日20時間以上が目安です。
定期チェック
2〜3か月ごとに来院いただき、歯の動きや装置の適合を確認します。
治療終了・保定
歯並びが整ったら、リテーナー(保定装置)を使用して後戻りを防ぎます。
よくある質問
基本的には1日20時間以上の装着が必要です。食事や歯磨きのとき以外はできるだけ装着してください。
新しいマウスピースに交換した直後は、数日間軽い締め付け感や違和感を感じることがありますが、多くの場合すぐに慣れます。
ワイヤー矯正に比べると痛みは少ない傾向です。
はい。食事の際はマウスピースを外していただくので、普段通りの食事が可能です。
装置を気にせず食べられるのが大きなメリットです。
透明なマウスピースなので、装着していてもほとんど気づかれません。
人前に出るお仕事や学生さんにも人気があります。
症例によりますが、一般的には1年半〜3年程度です。
軽度であれば半年〜1年ほどで終了する場合もあります。
重度の叢生や骨格性の不正咬合はワイヤー矯正や外科的矯正が必要になる場合があります。精密検査で判断します。
症例や装置の種類によって異なります。一般的には表側矯正よりやや高めですが、詳しい金額は初診相談時にご説明いたします。