アンカースクリューとは?
アンカースクリューとは、矯正治療で使う小さなチタン製のネジのことです。歯ぐきの骨に一時的に埋め込み、歯を効率よく動かすための固定源(アンカー)として使用します。直径1〜2mmほどと非常に小さく、治療終了後には簡単に取り外せます。

特徴

歯をしっかり動かせる
通常の矯正装置だけでは難しい歯の移動が可能になります。

治療期間を短縮できる
効率的に歯を動かせるため、治療がスムーズに進みやすいです。

抜歯を避けられる場合がある
アンカースクリューを使うことで、非抜歯で治療できる可能性が高まります。
注意点
装着時に局所麻酔をして埋め込みますが、処置は短時間で済み、痛みもほとんどありません。
まれに緩んだり外れたりすることがありますが、その場合は再度設置することで対応可能です。
治療後には簡単に除去でき、跡もほとんど残りません。
メリット&デメリット
メリット
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効率的に歯を動かせる従来の矯正では難しかった歯の移動(奥歯の圧下・前歯の後退など)が可能になります。
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治療期間を短縮できる可能性がある歯のコントロールが正確にできるため、無駄の少ない治療計画が立てられます。
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非抜歯での治療が可能になることがあるスペースを作るための抜歯をせずに治療できるケースも増えます。
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治療の仕上がりが良くなる歯を狙った方向にしっかり動かせるため、咬み合わせや横顔の改善度が高まります。
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小さくて目立たない直径1〜2mmほどの小さなネジで、口を開けても目立ちにくいです。
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取り外しが簡単治療が終われば短時間で除去でき、跡もほとんど残りません。
デメリット
治療の流れ
診断・治療計画
精密検査(レントゲン・模型・写真)で、どこにアンカースクリューを使うと効果的かを診断します。
スクリュー埋入
局所麻酔をして、歯ぐきもしくは口蓋の骨に直径1〜2mmの小さなスクリューを埋め込みます。処置は10分程度で終了し、痛みもほとんどありません。
矯正装置との連結
ワイヤーやゴム、スプリングなどを使って、アンカースクリューと矯正装置を連結します。これにより、通常の歯だけでは得られない強固な固定源ができます。
歯の移動
アンカースクリューを支点として、歯を効率的かつ正確に移動させます。奥歯を後ろに下げる、前歯を後退させる、奥歯を圧下させるなど、目的に応じたコントロールが可能です。
スクリュー除去
治療に必要なくなったら、簡単な処置でスクリューを取り外します。跡はすぐに治癒し、痕もほとんど残りません。
痛みについて
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埋入時の痛み処置の際は局所麻酔をするため、埋め込みの痛みはほとんどありません。処置自体も10分程度で終わり、大きな手術ではありません。
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除去時の痛み治療後に取り外す際も短時間で済み、痛みはほとんどありません。跡もすぐに治り、痕はほとんど残りません。
違和感について
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処置後の違和感数日〜1週間ほど、歯ぐきに軽い痛みや違和感を感じることがあります。通常は鎮痛剤を使用する必要がない程度で、多くの方がすぐに慣れます。
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日常生活への影響スクリューは直径1〜2mmと非常に小さいため、口を開けてもほとんど目立ちません。会話や食事に大きな支障はなく、普段通りの生活が可能です。
よくある質問
局所麻酔をして埋め込みますので、処置中の痛みはほとんどありません。処置後に軽い違和感や腫れを感じることがありますが、多くの場合は数日で落ち着きます。
直径1〜2mm、長さ数mm程度の非常に小さなチタン製のネジです。口を開けてもほとんど目立ちません。
基本的には普段通りの生活が可能です。食事や会話に大きな影響はありませんが、最初のうちは違和感を覚えることがあります。
まれに外れたり緩んだりすることがありますが、その場合は再度装着すれば問題ありません。
奥歯を後ろに動かす、前歯を引っ込める、奥歯を圧下するなど、通常の矯正装置だけでは難しい歯の移動が必要なときに使用します。取り外しの加強固定装置(ヘッドギア)の代わりに使用することがあります。
不要になった時点で簡単に取り外せます。除去後は小さな穴が自然に治り、跡はほとんど残りません。